検認後に遺言書を紛失してしまったが、銀行口座の解約を進めたケース
- 2022.09.16
50代男性からのご相談
母が、「長男○○に全ての財産を相続させる」という内容の自筆証書遺言を遺して亡くなりました。
裁判所の検認手続きも終了したのですが、その後、遺言書を紛失してしまいました。
相続人は私と弟ですが、弟とは音信不通で、本件の協力を仰ぐことは難しい状況です。まだ、解約が済んでいない銀行口座があるのですがどうしたら良いでしょうか。
解決例
既に裁判所の検認が済んでいるのであれば、裁判所から発行される「検認調書」で解約手続きに応じてくれる金融機関もあります。
本件のご依頼者様のケースも、検認調書で解約することができ、裁判所の検認が済んでいたので、検認調書で手続きを完了させることができました。
しかし、検認前に自筆証書遺言を紛失してしまうと、もはやどうすることもできません。
また、自筆証書遺言はそもそも発見されないというリスクもあります。
相続人の方への大切な意思を伝える書面なので、その思いが確実に伝わるよう、公正証書遺言にするか、法務局の遺言書保管制度を利用することをおすすめいたします。
遺言の検認ついての詳細
「遺言書の検認手続きとは?放置した場合のリスクや必要書類」のページで詳細についてはこちら>>
遺言を紛失した場合の対応
遺言は紛失・改ざんなどの可能性も
公正証書遺言を作成した場合、公証役場で原本含め3部作成されることになります。
公正証書遺言を作成していた場合、原本は公証役場に保管されますので、遺言を万が一でも紛失してしまったととしても遺言内容や再作成が必要になるという事もありません。
特に生前のうちに遺言を準備していたケースで、紛失や改ざんされるというケースもありますので、秘密証書遺言や自筆証書遺言ではなく公正証書遺言で準備する方がリスクは下げられます。
最近では、法務局で自筆証書遺言の保管制度も始まりましたので、自筆証書遺言を作成した後に法務局に保管を依頼するという対応をとれば遺言を紛失するという事がなくなります。
遺言は、作成方法や保管方法も選択肢がありますので、現状の家族関係や財産によってどういった遺言を遺すべきなのかは変わってきますので、不安がある方は相続の専門家に相談をすることをおすすめします。
遺言の種類
自筆証書遺言
本人が、本文の全文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印したものです。
用紙は何でも構いませんが、ワープロ文字や代筆は認められず、必ず自分で書くことが必要となります。
公正証書遺言
公正証書遺言は、遺言者本人が公証役場に出向き、証人2人以上の立会いのもとで、遺言の内容を話し、公証人が筆記します。
秘密証書遺言
本人が公証役場に出向いて証書に内容を記載して署名・捺印した上で証書を封じ、同じ印鑑で封印をします。
遺言を紛失してしまったら
遺言が紛失しても冷静に対処することが重要です。
公正証書遺言の場合
公正証書遺言を紛失した場合は、公正証書遺言の原本が公証役場に保管されていますので、新たに書き直す必要はありません。
公正証書遺言は、公証役場に保管をされているため、再度取得することも可能ですので、作成した形式や保管場所などを確認した上で、問い合わせをする必要があります。
自筆証書遺言の場合
自筆証書遺言の場合には、原本を紛失してしまったら遺言書がないという状態になってしまうため、たとえコピーを取っておいても遺言としての効力はありません。
ですので、自筆証書遺言を紛失した場合には、まずは原本を探すことをしないといけませんし、相続において揉める火種となるというリスクが高まります。
遺言を準備したほうが良いケース
遺言は生前のうちに準備する人は少なく、日本国内でも年間10万件ほどが公正証書遺言として作成しています。
年間死亡者は140万人ほどいるのにもかかわらず、遺言の作成件数は亡くなる人の10%ほどしかいないため、相続争いに繋がるケースもあります。
実際に元気なうちに遺言を準備という選択を取る人が少ない中で、下記のような方々は遺言を準備することをおすすめします。
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