相続した不動産を売却したいが、古い抵当権が設定されており抹消登記が必要だったケース
- 2021.10.22
今回の解決事例は、「古い抵当権が設定されており、不動産をすぐに売却できなかった」事例です。
ご状況
依頼者:60代女性 東京都在住
四国にある実家の父が亡くなりました。
父は5年前に老人ホームに入り、父名義の実家の建物は親類に貸しています。
相続人は、私(依頼者)と私の妹と既に他界した弟の子どもです。
相続財産は親類に貸している土地建物のみです。
ご相談内容
建物を借りている親類が本件土地建物の買取を希望しております。
親類に本件土地建物を売却したあと、売却代金を相続人全員で分けようと考えています。
当事務所のご提案&お手伝い
依頼者のお話に基づいて不動産登記簿を取得したところ、相続物件に古い抵当権が設定されていることがわかりました。
被相続人が完済し、銀行から抹消の書類も受け取ったようですが、抵当権抹消の登記を行わないまま被相続人が亡くなり、抹消書類も紛失してしまったようです。
このため本件では、①抵当権抹消登記 ②相続登記 ③売買による所有権移転登記を順次行いました。
①抵当権抹消登記
抵当権抹消登記では抹消書類を紛失しているため、銀行に連絡を取り、銀行の印鑑証明書と委任状、抵当権抹消のための原因証明情報を取り付けました。
これらの書類を使って事前通知の方法で抵当権の抹消を行いました。
②相続登記
不動産は依頼者が相続する旨の遺産分割協議書を作成し、依頼者を所有者とする相続による所有権移転登記手続を行いました。
③売買による所有権移転登記
不動産売買契約書を作成し、依頼者から賃借人に対する所有権移転登記手続を行いました。
④売却代金の振込
本件不動産の売買代金を法定相続割合で分割して相続人口座に振込み、終了となりました。
そもそも抵当権抹消登記とは?
抵当権抹消とは、不動産に設定されている抵当権を登記簿から抹消する手続きのことです。
不動産を買う際に、住宅ローンを利用すると借り入れの担保として「抵当権」を設定しますが、住宅ローンを払い終わると金融機関は抵当権を設定する必要がなくなります。
ローンを完済した際に、抵当権抹消登記をし、住宅の抵当権を外す必要があります。
この抵当権抹消登記は、自動でされることはなく、ご自身で行うか司法書士が代理で行わなければなりません。
抵当権抹消登記を放置する問題点
新たに住宅ローンを組むのが困難
抵当権抹消登記を行わないと、土地や不動産を担保にして新たに住宅ローンを組むことができません。
登記簿上に抵当権が残っているので、さらに担保にすることは難しいです。
不動産の売却に影響
抵当権抹消登記を行わないと、不動産を売却が難しくなります。
抵当権は1つの物件に対して二重に設定することができないからです。
買い手が抵当権付きの不動産を購入する際、買い手は新たにローンを組むことができないということです。
抵当権付きとは債務が残っている状態ですから、通常金融機関は追加融資を行いません。
金融機関の登記情報が更新され手続きが大変
抵当権抹消登記を行わないと、のちの手続きが煩雑なものとなります。
金融機関からの資格証明書や委任状といった抵当権抹消登記に必要な書類は、その書類が出た時点での内容となっています。
金融機関の代表や経営体制の変更に伴い、その登記情報が変更となることがあるのです。
抵当権を抹消する場合、その間の変更の履歴をすべて書面として集める必要が出てきます。そうなった場合、書類をすべて揃えるのはとても大変なのです。
本件のポイント
本件のように、相続発生を契機に登記簿を確認したところ、古い抵当権が設定されたままということは時々あります。
相続をしたあと売買をするのであれば抵当権抹消登記は必須です。
完済して抹消書類も受け取ったのに、それらの書類を紛失してしまっている場合、通常の抵当権抹消登記手続では抹消できず、事前通知という方法で抹消することになります。
事前通知による抹消手続の場合、通常の抹消登記よりも余計に時間がかかります。売却を急いでいるような場合には注意が必要になります。
親類間の取引で不動産業者に仲介を頼む程ではないけれど、売買契約書や固定資産税の割り振りなど、ご本人で対応するのは難しいようなケースでも、当職がお手伝いさせていただきます。
当事務所の不動産売却サポート
相続した不動産についてこのようなお悩みはございませんか?
・不動産を売却したいが誰に相談したらよいかわからない
・空き家となってしまうので家屋を売却したい
・相続税の支払いのために今すぐに現金が必要
・平日の日中は仕事で忙しく、相続や売却の手続きの時間がない
・遠方に保有する不動産を売却したい
・他の相続人と顔を合わせずに共有相続不動産を売却したい
・共有している不動産を売却したいが話し合いが進まない
当事務所の不動産埋却代理サポートは、「相続手続き」から「相続不動産の売却」までの手続きを代行するサービスです。
当事務所では相続・遺言の無料相談を行っています
相続手続きや遺言書作成、成年後見など相続に関わるご相談は当事務所にお任せ下さい。
当事務所の司法書士が親切丁寧にご相談に対応させていただきますので、まずは無料相談をご利用ください。
予約受付専用ダイヤルは0120-121-547になります。
料金表
相続人様の窓口として、相続の煩雑な手続きをすべて一括で丸ごと代行するサービスです。
相続人調査(戸籍収集)や遺産分割協議書の作成、「預金」「不動産」「株式」など、あらゆる相続手続きをまとめて代行致します。
遠方にお住まいの方や相続関係が複雑でご自身だけでは相続手続きを進めることが難しいと感じた方にオススメです。
相続財産の価額 | 報酬額 |
---|---|
200万円以下 | 165,000円 |
500万円以下 | 220,000円 |
501万円~1,000万円以下 | 275,000円 |
1,001万円~2,000万円 | 385,000円 |
2,001万円~3,000万円 | 495,000円 |
3,001万円~4,000万円 | 605,000円 |
4,001万円~5,000万円 | 715,000円 |
5,001万円~6,000万円 | 880,000円 |
6,001万円~7,000万円 | 1,045,000円 |
7,001万円~8,000万円 | 1,210,000円 |
8,001万円~9,000万円 | 1,375,000円 |
9,001万円~1億円 | 1,540,000円 |
1億円以上 | 金融資産の1.76% |