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未反映|国や市町村は死後事務を行うことができるのか?

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一般的に死後事務は遺された親族が対応するものですが、身寄りの無い方が亡くなった場合はいかがでしょうか?

よくある勘違いとして、「死後事務は市町村で行うことができる」というものがありますが、これは一部は正解なのですが、ほとんどが間違いです。

ホームレスの方が路上で亡くなったようなケースと同じで身寄りの無い方が亡くなった場合も遺体については市町村で火葬してもらうことができます。

しかし、これはあくまで遺体をそのままにしておく訳にはいかない為の緊急措置であり、葬儀や遺品整理を市町村が代わりに行ってくれるということはありません。

そのため「最終的はなんとかしてもらえるんだろう」という考えは危うく、何も準備もせずにいると万が一の時に周りに多大な迷惑と負担をかけることになってしまうので、しっかりと準備をしておくことが重要です。

死後事務委任における自治体の役割

窓口死後事務委任契約では、亡くなった方の財産や遺産の処理、手続きなどを任意の者に委任することができます。

しかし、墓地、埋葬等に関する法律第9条に基づいて、自治体は死後事務において市町村で火葬と埋葬を行うのみです。

身寄りのない高齢者や孤独死などの場合は、遺族や相続人が見つからなければ自治体で火葬(民生葬)が行われます。

これらの役割は、各自治体や地域によって異なる場合がありますが、基本的に自治体が葬儀の手配や遺品整理などの踏み込んだ手続きを担うことはありません。

したがって、おひとりさまで頼れる人がいない人や高齢の家族には頼めない人などは、あらかじめ自身が死後事務委任契約を結ぶことなどで死後の手続きを円滑に行えるように対策をすることが必要です。

亡くなった後の手続きの対応について

死亡届亡くなった後の手続きは多岐にわたります。

亡くなった方によっては様々な企業と契約を結んでいるほか、銀行や証券口座などの契約もあるため全体の把握は難しいですが、一般的に亡くなった後の手続きは以下の6つにまとめられます。

①家族・友人への連絡

故人の知人や家族に訃報を伝えることが最初の段階です。

電話やメール、SNSなどを利用して、周囲の人々に連絡を取ることで故人の逝去を伝えます。

②葬儀・埋葬手続き

葬儀の日程や場所を決め、葬儀社との打ち合わせを行います。

遺族や故人の意向に従って、お葬式や埋葬の準備を進めます。

③役所・関係機関への届出

死亡届を提出し、遺族年金や遺族手当などの手続きを行います。

また、運転免許証や健康保険証などの公的な身分証明書の返納手続きも必要です。

④生前の医療費・施設利用費など未払分の精算、謝礼金の支払

故人の生前に支払いが残っている医療費や介護施設の利用料などを精算し、必要ならば謝礼金を支払います。

⑤遺品整理及び住まいの処分

故人の遺品整理を行い、必要に応じて住まいの解約や家財道具の処分を行います。

遺族や遺言書に従って、財産の分与を行います。

⑥各種サービスの解約

故人が利用していた各種サービスや契約していたものを解約します。

例えば、電話、インターネット、有料放送などの解約手続きが含まれます。

以上の6つが代表的な手続きですが、市区町村で行う死後事務は最低限の物だけであり、遺品整理や財産整理などは一切行ってはくれないのが実情です。

したがって、これらの手続きは一般的に故人の遺族や知人によって実施されることがほとんどです。

身寄りの無い方が死後の備えをしていない場合

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身寄りの無い方が死後の備えを何もしていないとどうなるのでしょうか?

死後の備えとは?

死後の備えとしては以下の5点が例として挙げることができます。

①遺言書の準備がある

②死後事務委任契約書を第三者と締結している

③エンディングノートを準備している

④手帳などに親戚の連絡先や死後の希望などをメモしている

⑤友人や知人に口頭で希望を伝えてある

①②が備えられてるのであれば、死後の備えとしては十分だと判断できますが、

③④であれば、実行する方がが万一の時にすぐに確認できるようになっているであればまずまずといったところです。

⑤であれば伝える相手が信頼できる方で、死後事務に関しても役所や親族と連携してくれるようなのであれば特別大きな問題はありません。

死後のケース別トラブル

室内での孤独死

近年増加しているのが、賃貸住宅などにおひとりで住んでいる高齢者の孤独死です。

まずは警察によって死亡に関して事件性がないか調査をされた後に、遺族等の調査が行われ、遺族がいる場合は身柄が引き渡されることになります。

火葬

身寄りの無い高齢者の場合は、市区町村にて直葬等で火葬されることとなりますが、すぐに火葬されるわけではありません。

身寄りが無いといっても、生前のうちに連絡を取っていないという事だけで、実際にはお子様やご兄妹がいる可能性もあります。

市町村ではその可能性を考えて、すぐに火葬する訳ではなく、一旦警察や葬儀社の遺体安置室にて、遺体を安置し、その間に相続人や親族を探すこととなります。

身寄りの調査に時間が掛かる子場合は、死後1年近く安置されているようなケースもあり、
必要に応じて「死後事務委任契約書」などで、ご遺体の引取りや葬儀の手配をしてくれる方を決めておくと、誰にも迷惑をかけずに、死後の手続きを進めることが可能となります。

遺品整理

自分に万が一の事があった場合には、大家さんをはじめ水光熱費や電話会社などに多大な迷惑をかけることになります。

また、室内に残った家財類は誰も片づける人がいないため、室内にそのまま放置されてしまうこともあり、賃貸物件の部屋が片付かないというケースもあります。

こうした場合は、大家さんや管理会社によって室内の明渡し手続きを行ったり、入居者が孤独死した場合や家賃を滞納した場合に備えて保険や保証会社と提携しているケースもありますので、そうした制度を利用しながら室内の家財を整理していくこととなります。

ただし、これは大家さんとしては避けたい状況でもありますので、自分に万が一の事があった場合に備えて、家族や親族に代わって遺品整理等を行い、部屋の明渡しをしてくれる方を決めておく必要があります。

いずれにしても、市区町村で行う死後事務は最低限の物だけであり、遺品整理や財産整理などは一切行ってはくれないのが実情です。

生活保護受給者が死後の備えをしていない場合

生活保護が死後の備えを何もしていないとどうなるのでしょうか?

繰り返しにはなりますが、国や地方自治体は身寄りの無い方の火葬はしてくれますが、死後事務手続きを行うことはありません。

たとえ、生活保護を受けていた身寄りなしの場合と同様に、死後事務を国や自治体が行ってくれるという事はありませんので、ご自身で準備をしておく必要があります。

おひとり様の相続手続き方法について詳しくはこちら>>

そもそも死後事務とは?

死後事務

死後事務委任契約とは

死後事務委任契約とは、葬儀や埋葬に関する事務手続きを委託する契約のことです。

委任者(本人)が受任者(自分以外の第三者)に対し、亡くなった後の諸手続、葬儀、納骨、埋葬に関する事務手続き等についての代理権を付与して、自己の死後の事務を委託する契約のことを「死後事務委任契約」といいます。

死後事務の手続き内容

死後の事務手続きの内容は、法的に明確な定義はありませんが、一般的には下記のような内容が含まれます。

・親族関係者へ当事者死亡の連絡

・葬儀や火葬などに関する諸手続き

・死亡届や未支給年金の支給などの行政手続き

・自宅の家賃や光熱費、有料老人ホームの諸費用、入院費などの支払い

・委任者の生前に発生した債務の弁済

・賃借建物の明け渡し、敷金もしくは入居一時金等の受領

・家財道具や生活用品の処分に関する事務

・デジタル遺品の整理、消去

契約時に内容を決め、それぞれを必要に応じて死後事務手続きを実行することも可能です。

死後事務委任契約を締結する際の注意点

死後事務委任契約は「契約をしたから安心」という訳ではなく、契約自体が親族間のトラブルのもととなる場合もあるため注意が必要です。

特に、ご年配の方がこの契約を検討する際には、親族や信頼できる関係者と十分に相談しながら進めることが大切です。

以下に、契約を結ぶ際に特に注意すべきポイントを詳しく解説します。

事前に親族へ周知を行う

死後事務委任契約は、委任者が生前に準備することで、死後の手続きが円滑に進むようにするためのものですが、契約内容を家族や親しい親族にあらかじめ伝えておくことが重要です。

例えば、葬儀の手配や遺品整理といった事務が契約に含まれている場合、事前に親族がその内容を理解していないと、「なぜ家族ではなく第三者が手続きを行うのか」といった誤解が生じる可能性があります。

特に、遠方に住んでいる親族や、普段あまり連絡を取らない家族がいる場合は、書面や電話で契約の概要を伝えておくと良いでしょう。

事前に親族が契約内容に同意していると、受任者が契約に基づいて事務を進めやすくなり、親族間のトラブルを避けることができます。

このように、契約を結ぶ前に親族の理解を得ることは、後々の安心感にもつながるため、契約の際には忘れずに共有しましょう。

意思能力があるうちに契約を結ぶ

死後事務委任契約は、「契約」であるため、委任者と受任者に意思能力がなければ効力が認められず、無効となります。

したがって、判断力が低下してしまった後では、死後事務委任契約が結べないため、早めの準備が大切です。

特に、認知症や判断能力の低下が懸念される場合は、元気なうちに契約を済ませておくと安心です。

また、意思能力が十分にある段階で契約を結ぶことにより、契約が有効になるだけでなく、依頼者自身の意向が確実に反映された内容で契約を進めることができます。

依頼者の意思能力があるうちに契約を結ぶことは、依頼者のためにも、残される親族にとっても、円満な手続きに繋がります。

報酬と費用負担を明確にする

死後事務委任契約を結ぶ際には、受任者に支払う報酬や、事務処理にかかる費用についても明確にしておく必要があります。

報酬や費用の取り決めが曖昧なままでは、委任者の死後に親族と受任者の間で金銭的なトラブルが生じる可能性があります。

そのため、契約書に具体的な金額や費用負担の方法を明記し、透明性を確保することが大切です。

例えば、葬儀や遺品整理に関する費用が発生する場合、誰がその費用を負担するのか、どのように報酬が支払われるのかを契約書に記載することも必要です。

また、受任者が専門家である場合、サービスの詳細や報酬額を事前に確認し、親族にその内容を伝えておくと安心です。

契約内容に費用負担についての明確な取り決めがあることで、委任者も受任者も安心して契約に臨むことができます。

港・品川相続・遺言相談室では、死後事務の無料相談も実施しています

昨今では、おひとり様・おふたり様の相続が増加傾向という事もあり、遺言や死後事務を相続の専門家に相談・依頼するケースも増加しています。

自分の死後について、迷惑をかけたくないという方は元気なうちに終活の一環として相談することをおすすめします。

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    この記事を担当した司法書士
    司法書士ブランリーフ 代表司法書士 矢尾直子
    保有資格東京司法書士会 登録番号 第2566号 簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 認定第601070号 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート 会員番号3112469 法テラス 契約司法書士 SC相続手続カウンセラー®
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    経歴司法書士ブランリーフ代表
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